赤ちゃんの成長を祝う行事のひとつに「お食い初め」があります。
出産を控えている方や赤ちゃんが生まれたばかりの方の中には、「お食い初めはいつまでに行えばよいのだろう」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「お食い初め」はいつまでに行うべきか、また日程の計算方法や男の子と女の子との違いがあるかなどを紹介します。
本来の日程に行えない場合はどうすれば良いのか、仏滅に行うのは避けるべきかなど、お食い初めに関する気になる疑問についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
お食い初めとは、赤ちゃんの生後100日前後に行うお祝いの儀式です。その起源は平安時代と言われています。
祝い膳を用意し、「食べ物に困らない人生を送れますように」という願いを込めながら、赤ちゃんの口元に料理を運びます。生後100日前後の赤ちゃんは、実際に食べることができないため、食べさせる真似をしましょう。
「お食い初め」は生後100日前後に行うことから、「100日祝い(ひゃくにちいわい)」や「百日祝い(ももかいわい)」とも呼ばれています。
お食い初めを行う時期は、赤ちゃんの生後100日前後が一般的です。生後100日前後はあくまでも目安の時期なので、過ぎてしまっても問題ありません。
赤ちゃんやママの体調が優れなかったり、ご両親や親戚とのスケジュール調整が難しかったり、さまざまな理由により生後100日前後に行えないことも珍しくありません。赤ちゃんやママの体調を優先しながら、無理のない日程でお祝いをしましょう。
お宮参りやハーフバースデーなど、他のお祝い行事とあわせて行うご家庭も多いようです。
お食い初めを行う時期は、男の子でも女の子でも同じですが、準備するものや儀式の行い方は、男の子と女の子で少し違いがあります。
正式なお食い初めでは、食器は漆器を使用します。男の子は内側も外側も朱塗りの漆器、女の子は内側が朱塗り、外側が黒塗りの漆器を用意しましょう。
伝統を重んじてお祝いする場合、衣装は色付きの小袖を用意するのが一般的です。男の子なら黒色やグレー、女の子なら赤色のもので、縁起の良い柄のものを選ぶとよいでしょう。伝統にこだわらない場合は、スムーズに着せることができる袴風ロンパースやタキシード、ドレスなどの洋風の衣装も人気です。
儀式の基本的な行い方は男の子も女の子も同じですが、赤ちゃんにお祝いの料理を食べさせる真似をする「養い親」は、男の子と女の子で異なります。
「養い親」は長寿にあやかる伝統から、赤ちゃんと同姓で、親族の最年長者が行うため、男の子なら最年長の男性、女の子なら最年長の女性が務めるのが一般的です。
最近は正式な方法にこだわらず、最年長者から順番にみんなで食べさせる真似をするなど、家族に合った和やかな雰囲気で行う方も多くなっています。
お食い初めを行う時期は、住む地域によって異なる場合があることも覚えておきましょう。
たとえば、近畿地方の一部地域には、「食い延ばし」という文化があり、生後120日目以降の吉日にお食い初めを行います。お食い初めの一般的な時期とされる生後100日よりもあえて日を延ばすことで、長く食べ続けられるという「長寿」の意味が込められています。
このように地域による違いもありますので、伝統を重んじるご家庭の場合は、お食い初めの日程を決める前にご両親や親戚の方に相談すると良いでしょう。
生後100日とは、生まれた日を1日目として数えた100日目です。手早く正確な日付を確認したいのであれば、自動計算できるWEBサイトやアプリなどを活用するのがおすすめです。
必ずしも100日ぴったりにお食い初めを行う必要はありませんが、スケジュールを立てる目安として生後100日の日付を知っておくと良いでしょう。
お食い初めは、人生で一度きりの貴重な行事です。赤ちゃんだけでなく、ママやパパにとっても大切な記念日ですので、家族で相談しながら日程を決めると良いでしょう。
「お宮参り」は、正式には生後1ヵ月くらいに行いますが、この時期の赤ちゃんはデリケートであり、ママも産後の回復が十分ではない場合が多いでしょう。「お宮参り」の次の行事が「お食い初め」であることから、2つの行事を一緒に行うご家族も増えています。
ここでは、「お宮参り」と「お食い初め」を一緒に行う場合のメリット・デメリットについて確認しておきましょう。
お宮参りとは、土地の氏神様に赤ちゃんが無事生まれたことを報告し、「これから健やかに成長しますように」と願って参拝する行事です。「初宮参り(はつみやまいり)」や「初宮詣(はつみやもうで)」、「産土参り(うぶすなまいり)」とも呼ばれています。
お宮参りを行う時期は、男の子なら生後31日〜32日目、女の子なら32日〜33日目と、生後1ヵ月で行うのが一般的です。
お食い初めと同様に、お宮参りも必ずしも生後1ヵ月ちょうどで行う必要はありません。赤ちゃんやママの体調、気候や天気などを考慮しながら、柔軟に日程を決めて良いでしょう。
生後1ヵ月で行うお宮参りと、生後100日で行うお食い初めは、約2ヵ月しか間隔が空いていません。どちらの行事にも両家の祖父母や親族が参加を希望している場合、短期間で2回集まるため、スケジュール調整が難しいケースもあるでしょう。
お宮参りとお食い初めを一緒に行う場合は集まる回数は1回で良いため、スケジュール調整がしやすく、親族が集まりやすいというメリットがあります。親族が遠方に住んでいる場合は、移動にかかる時間や費用の負担軽減にもなるでしょう。
お祝い行事は、衣装や記念撮影代、家族での食事代など、大きな出費となる場合があります。食事をするお店を探したり、予約をしたりといった、手間もかかります。お宮参りとお食い初めを一緒に行えば、お祝い行事にかかる費用や手間が抑えられるでしょう。
赤ちゃんの成長は早いため、生後1ヵ月と生後100日では表情や顔つきが変わります。赤ちゃんの成長過程を実感しにくくなることは、お宮参りとお食い初めを一緒に行うデメリットのひとつと言えるでしょう。
お宮参りとお食い初めを一緒に行う場合、1日のスケジュールが盛り沢山になります。赤ちゃんもママも無理のないよう、余裕のあるスケジュールを立てることが大切です。
孫の成長を楽しみにしている赤ちゃんの祖父母にとっては、お祝いの行事をまとめて行うことを残念に思う場合もあります。お宮参りとお食い初めを一緒に行いたい時は、一方的に決めるのではなく、体調やスケジュールなどの理由を伝えたうえで提案すると良いでしょう。
お食い初めの日程を決める際に気になるのが、「大安」や「仏滅」といったお日柄ではないでしょうか。
「大安吉日」という言葉があるように、「大安」は何をするにも縁起が良いとされています。お祝い行事の「お食い初め」も、必ず大安に行うべきなのでしょうか。
「大安」や「仏滅」を決める「六曜(ろくよう)」については、さまざまな考え方があります。お食い初めを行う日程を決める場合は、参加する方の予定と共に、「六曜(ろくよう)」の考え方を知り、気にする方がいる時には考慮して決めるとよいでしょう。
「六曜(ろくよう)」とは、中国の陰陽五行説から生まれた考え方で、縁起の良し悪しを判断するための暦注のことです。日本には鎌倉時代に伝わり、江戸時代から使われ始めましたが、広く意識されるようになったのは第二次世界大戦後と言われています。
「六曜(ろくよう)」は、「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」という順番で、6種類の曜があります。
「先んずれば勝ち」という意味があり、即行動に移すことで運が舞い込むと言われている日です。午前中は吉、午後2時から午後6時までが凶とされています。
六曜では勝負の決着がつかない良いことも悪いこともない日とされています。「共引き」に由来し、友を引き寄せてしまうことから、お葬式や法事は避けた方が良いでしょう。時間帯では、正午を挟む時間(11時~13時)が凶と言われているので、お祝い事のスタートはこの時間を控える場合があります。
「先んずれば負け」という意味があり、何事も急がず平静に待つのが良いとされる日です。午前中が凶、午後は小吉とされています。
「仏も滅するような凶日」という意味があります。六曜の中でも最も縁起の悪い日とされ、お祝いごとを避けるべき日として認識している方も多いでしょう。時間帯による区分がなく、1日を通じて凶と言われています。
「大いに安し」という意味があり、六曜の中でも最も縁起の良い日と言われています。1日を通じて吉と言われており、結婚式など様々なお祝い事を行うのに人気がある日です。
陰陽道で縁起が悪いとされている「赤舌日(しゃくぜつにち)」に由来しています。すべてが滅びる凶日と言われており、「仏滅」の次に縁起の悪い日です。ただし、鬼神が休む時間の牛の刻(11時〜13時)は吉とされています。
お食い初めはお祝い行事であるため、お日柄の良い吉日に行うのが好ましいですが、近年は六曜を気にしないご家庭も増えています。
お食い初めの歴史は古く、平安時代から続く伝統行事のひとつです。六曜が広まったのは戦後のため、お食い初めが始まった頃には六曜を気にしてはいなかったでしょう。
一方で、祖父母や親戚の中には、赤ちゃんの幸せを願うからこそ六曜を気にする方がいる可能性もあります。お食い初めを「仏滅」や「赤口」に行う場合は、あらかじめ説明しておくと良いでしょう。
この記事では、赤ちゃんの成長を願う行事「お食い初め」は、いつまでに行えばよいのか、男の子と女の子では差があるのかなど、お食い初めの気になる疑問について紹介しました。
「お食い初め」は、いつまでにやらなければならないというルールはありません。生後100日を目安に、赤ちゃんやママの体調や参加者の予定を考慮しながら、無理のない日程で行いましょう。
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マナー・コミュニケーション領域の専門家。EXSIA代表。
NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師育成も行う。
著書「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などメディアでも活躍する。
【監修・取材実績】(抜粋)
・ABCテレビ「芸能人常識チェック!トリニクって何の肉!?」冠婚葬祭マナー出演・監修
・テレビ朝日「中居正広の身になる図書館」マナーの分かれ道 贈答マナー出演
・日経ウーマン「冠婚葬祭マナー」
・主婦と生活社 CHANTO WEB「結婚・妊娠・出産 職場の報告マナー」
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