赤ちゃんの成長を願うお宮参りでは、初穂料などのお金を忘れずに用意する必要があります。一方で「お宮参りにお金がいくらかかるのか分からない」「どのように持参すればよいのか知りたい」とお考えの方もいるでしょう。
本記事では、お宮参りにどれくらいのお金がかかるのか、またどのように準備すればよいのかを詳しく解説します。事前に把握しておき、お宮参りの準備を円滑に行いましょう。
お宮参りにかかるお金には、初穂料や衣装代などがあります。費用はお宮参り当日のスケジュールや内容によって異なりますが、総額で数万円かかることが一般的です。ここではお宮参りで必要とされるお金や用途を紹介します。
初穂料(はつほりょう)とは、神社でご祈祷をしていただく際に用意する謝礼のことです。神社によって金額が決まっているケースもありますが、一般的な相場は5千円から1万円程度です。
お宮参りでご祈祷はお願いせず、参拝のみ行う場合には初穂料(はつほりょう)はかかりません。一般的に参拝する場合と同様にお賽銭を用意しましょう。
お宮参りでの赤ちゃんの衣装は、白羽二重(しろはぶたえ)やベビードレスなどの上から、祝い着と呼ばれる色と模様のついた着物を掛けます。
着物であれば約3〜5万円ほどが相場とされていますが、グレードによっては10万円以上する場合もあります。通販サイトなどでレンタルをする場合は3千円~3万円程度が相場です。貸衣装店やフォトスタジオなどでもレンタルができます。ベビードレスやロンパースは約5千円〜3万円ほどで購入できます。
お宮参りを済ませた後には、多くの方が食事会を催しています。食事会の場所は、料亭やレストラン、自宅などの選択肢があります。費用は、赤ちゃんの祖父母からお祝いをいただき、食事会に招待しているのであれば、お礼としてママ・パパが支払うとよいでしょう。
地域によっては、赤ちゃんの衣装をママ側の祖父母、食事会はパパ側の祖父母などとするところもあります。迷う場合は、両家の祖父母にも相談して負担額などを考えて決めるとよいでしょう。
食事会の相場は、1人あたり3千円~5千円程度です。レストランなどで食事会をする場合は、事前にお宮参りの食事会だと伝えて予約しておくとスムーズです。自宅で行う場合には、ママ・パパが手作りで準備したり、仕出しをとったりする方法があります。
お宮参りは赤ちゃんの一生に一度の行事のため、記念撮影をしておきたい方も多いでしょう。写真撮影は、撮影費用のほかにも、両家の祖父母に渡す写真代やアルバム代などがかかります。
また、フォトスタジオで撮影するか、出張カメラマンに撮影を頼むかによっても価格は異なります。大手フォトスタジオの場合はアルバム購入などのオプションを含めると2万~6万円、出張カメラマンはデータ代や出張費込みで1万~3万円が相場です。カメラマンの交通費などが他にかかる場合もありますので事前に確認しておくとよいでしょう。
初穂料はお宮参りでご祈祷を受ける際に必要です。しかし、お宮参りに祖父母を招待する場合には「初穂料を誰が出すのか分からない」とお困りの方もいるでしょう。ここでは、初穂料の相場やお金を負担する人を解説します。
神社によっては初穂料が決まっているため、お宮参りの際に神社のホームページなどで確認しておくと安心です。
初穂料が詳しく記載されていなかったり、「お気持ち程度の金額」とされていたりすることもあります。その場合には、初穂料の相場である5千円〜1万円を用意しましょう。複数名でご祈祷を受ける場合には1万円以上納める方もいるようです。
初穂料を負担する人に決まりはありません。以前のお宮参りでは、祖父母が初穂料を支払うことが多くありました。しかし、近年はママ・パパが用意するのが一般的となっています。
両家の祖父母が揃ってお宮参りに参加するのであれば、孫のために初穂料を用意してくれることもあるでしょう。初穂料はのし袋に入れて準備する必要があるため、誰が支払うかを事前に決めておくと、お宮参り当日に慌てずにすみます。
初穂料は、のし袋に入れ表書きを書いてお渡しします。封筒の選び方やお札の入れ方にもマナーがあるため、あらかじめ把握しておきましょう。ここでは初穂料の準備の方法について詳しく紹介します。
のし袋は雑貨店やスーパーなど、身近な場所で購入できます。初穂料を入れるのし袋は、紅白で蝶結びの水引がついているものを選びましょう。何度も結びなおせる蝶結びには「何度あってもよい」という意味が込められています。
ただし、神社によってはのし袋ではなく、封筒にお金を入れて納めるように決められているケースもあるため注意が必要です。のし袋は、神社のホームページなどで初穂料の納め方を確認してから用意するとよいでしょう。
表書きとは、のし袋の表に書く文字のことです。上段と下段に記載事項がありますが、どちらも筆ペンや毛筆で色濃く書くことがマナーです。
上段(水引の上)には「御初穂料」「御礼」「御玉串料」など、下段(水引の下)には赤ちゃんの氏名を書きます。ご祈祷の際に赤ちゃんの名前が呼ばれることもあるため、読み間違えがないようにふりがなをふっておくとよいでしょう。
地域によっては赤ちゃんの名前の横にパパの名前を書く場合もあります。伝統を重視する場合には、お住まいの土地の習わしを確認しておきましょう。
初穂料には中袋のないのし袋がよく使われますが、中袋のついたものも多くあります。そのようなのし袋を使用する場合は、中袋にお金を包みましょう。中袋にも記載する内容があり、のし袋の表書きと同じく筆ペンや毛筆を使用します。
中袋の表面には、包んだお金の金額を書き換えられないように、旧字体で「金 伍阡円」「金 壱萬円」と入れた金額を中央に縦書きします。裏面の左下には、住所と赤ちゃんの名前をフルネームで記入しましょう。
お札の包み方にもマナーがあるため注意が必要です。初穂料のお札は、基本的に表向きに入れます。のし袋の表とお札の表(肖像が表示されている面)を合わせて、肖像が上にくるようにしましょう。中袋がある場合にも包み方は同様です。
中袋のあるのし袋を使用する場合は、上包みの裏面に上下の折り返しがあります。のし袋の上包みの折り返しは次の手順で重ねましょう。
1.のし袋の裏面の上側の折り返しを折る
2.下側の折り返しを折る
福が入るようにという意味もあるので、下側の折り返しを上にすることがポイントです。
お宮参りの準備を進めるにあたって、あらかじめお宮参りのお金に関する知識やマナーを押さえておくと安心です。こちらの章ではお宮参りのお金に関する疑問にお答えします。
お宮参りでかかる費用は、赤ちゃんのママ・パパが支払うことがほとんどです。しかし、誰が何を払うのかという明確な決まりはないため、両祖父母と事前に相談しながら決めるとよいでしょう。
たとえば、パパ方の祖父母は初穂料、ママ方の祖父母は衣装代を負担するなどと分けるご家庭もあるようです。その場合は、両家どちらかの負担が大きくならないように、バランスを調整するようにしましょう。
初穂料は、お宮参り当日のご祈祷が始まる前に、受付や社務所でお渡しすることが一般的です。ただし、初穂料を納めるタイミングは神社によって異なります。事前に神社のホームページなどでお宮参りの流れを確認しておくとよいでしょう。
お宮参り当日は赤ちゃんのオムツやミルクなどで荷物が多くなります。初穂料を納めるタイミングですぐにお渡しできるように、バッグの取り出しやすい位置に入れておきます。なお、のし袋をそのままバッグに入れるのはマナー違反なので、袱紗(ふくさ)に入れて持参するようにしましょう。
お宮参りはママ・パパと両祖父母などの身内で行う行事ですので、基本的にお返しは必要ありません。お宮参りを終えたあとに食事会を催す場合は、食事会自体がお礼の代わりとなります。
ただし、遠方の親戚など当日の行事に参加しない方から「お祝い」をいただいた場合には、お礼状や赤ちゃんの写真を添えて、内祝いを贈るとよいでしょう。
初穂料として包むお金は、新札でなくてもよいとされています。しかし、お宮参りは赤ちゃんの大切なお祝い事であり、初穂料は神社に納めるお金のため、あまりにも汚れやシワが目立つお札は控えたいものです。
すぐにきれいなお札を用意するのは難しいこともあります。準備する時間などがあれば、銀行の窓口や両替機で新札に交換してもらうとよいでしょう。お宮参りの数週間前から、状態がよいお札(ピン札)を見つけたらとっておくことも手段のひとつです。
今回はお宮参りに必要なお金や初穂料の基本知識について解説しました。お宮参りは赤ちゃんやご家族にとって特別な行事のひとつです。初穂料や準備費用などさまざまなお金がかかりますが、事前に細かく把握して余裕をもって準備しましょう。
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マナー・コミュニケーション領域の専門家。EXSIA代表。
NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師育成も行う。
著書「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などメディアでも活躍する。
【監修・取材実績】(抜粋)
・ABCテレビ「芸能人常識チェック!トリニクって何の肉!?」冠婚葬祭マナー出演・監修
・テレビ朝日「中居正広の身になる図書館」マナーの分かれ道 贈答マナー出演
・日経ウーマン「冠婚葬祭マナー」
・主婦と生活社 CHANTO WEB「結婚・妊娠・出産 職場の報告マナー」
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