「お宮参り」とは、赤ちゃんが無事に誕生したことを神様に報告し、健やかな成長をお願いする儀式です。「お宮参り」は、赤ちゃんの生後1ヵ月頃に行う行事として知られていますが、女の子と男の子では異なるしきたりがあります。
この記事では、女の子のお宮参りの時期や服装、男の子との違いなどを紹介します。服装の選び方やお宮参りの気になる疑問についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
お宮参りを行う時期は、赤ちゃんが生まれてから1ヶ月前後と言われていますが、正式には生後何日目に行うかをご存知でしょうか。
お宮参りの日程を決める前に、女の子のお宮参りはいつ行うのかを確認しておきましょう。
女の子の場合、正式なお宮参りの時期は生後32〜33日目です。この生後○日とは、赤ちゃんが生まれた日、つまり赤ちゃんの誕生日を1日目として数えます。生まれた日を0日目としてしまわないように気を付けてくださいね。
女の子のお宮参りの日程を決める場合は、生後32〜33日目を目安に予定をたてると良いでしょう。
生後1ヵ月の赤ちゃんはまだデリケートな時期であり、1ヵ月検診を終えるまでは外出を控えた方が良いとされています。赤ちゃんだけでなく、ママの体調が十分に回復していない場合もあるでしょう。
赤ちゃんにとっても、ママにとっても無理は禁物な時期なので、生後32日または33日目ぴったりにお宮参りを行う必要はありません。時期はあくまでも参考にし、赤ちゃんとお母さんの体調に配慮した上で、お宮参りの日程を決めるようにしましょう。
女の子のお宮参りにはどのようなしきたりがあり、男の子との違いにはどのようなものがあるのでしょうか。はじめてのお宮参りでも安心してお祝いできるよう、性別による時期や服装などの違いを確認しておきましょう。
正式なお宮参りの時期は、女の子なら生後32〜33日目、男の子なら生後31〜32日目です。わずかではありますが性別によって時期が異なり、女の子の方が男の子よりも1日遅いのが一般的です。
必ずしも時期を守る必要はなく、赤ちゃんの生後1ヶ月以降を目安に、参加者の予定が合う日やお日柄の良い日にお宮参りを行うご家庭が増えています。
お宮参りを行う時期は地域によっても差があり、生後100日〜120日頃に「お食い初め」と合わせてお宮参りを行う場合もあります。冬の寒さが厳しい地域は、寒さが和らぐまで待つこともあるなど、土地によってもさまざまです。
お宮参りでの赤ちゃんの正装は、「白羽二重(しろはぶたえ)」と呼ばれる内着に、華やかな「祝い着(いわいぎ)」を羽織ります。「祝い着(いわいぎ)」は、「産着(うぶぎ)」や「掛け着(かけぎ)」とも呼ばれています。
女の子の祝い着は、赤やピンクなどの華やかな色合いが主流です。「美しく幸せに育ってほしい」という願いから、友禅模様(ゆうぜんもよう)に毬や花車などが描かれたデザインが選ばれています。
女の子の祝い着は華やかな色合いが多いのに対し、男の子の祝い着は黒や紺色などの深みのある色合いが人気です。「強く元気に育ってほしい」という願いを込め、鷹や兜などの力強いデザインが描かれています。
伝統的なお宮参りは和装で行いますが、最近では洋装の方も多く、赤ちゃんに可愛らしいベビードレスを着せてお参りするご家族も増えています。
女の子の祝い着には、家紋を入れないのが一般的です。祝い着も家紋を入れることを想定していないため、家紋を入れる部分にも絵柄が描かれています。
一方、男の子の祝い着には、古くから父方の家紋を入れるしきたりがあります。両胸に2箇所、背中に1箇所、そして両袖の裏側に2箇所と、合計5箇所に家紋を入れるのが一般的です。祝い着の家紋を入れる部分は、家紋と柄が被らないようにデザインされています。
一部の地域では、女の子でも家紋を入れる風習がある場合があるため、祖父母や親族に確認しておくと良いでしょう。
お宮参りでは、祝い着の他にも用意すべきものがあります。当日に忘れ物がないよう、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
女の子の祝い着は、色や絵柄、デザインなど、さまざまな選択肢があります。数ある祝い着の中から、どのような祝い着を選べばいいか悩むママ・パパも多いでしょう。
ここでは、女の子がお宮参りに着用する、服装の選び方を紹介します。色や柄に加え、赤ちゃんが快適に過ごせるように考慮することも大切です。
女の子の祝い着は、赤やピンク、オレンジなど、可愛らしく華やかな色が人気です。近年は祝い着のカラーバリエーションが増え、黒やブルー、グリーンやパープルなど、多彩な色から選べるようになりました。
祝い着は仕立て直すことで、3歳の七五三の際にも着用ができます。思い入れのある一着となるので、赤ちゃんに似合う色を選んでみてはいかがでしょうか。
女の子がお宮参りに着る祝い着は、華やかな友禅模様が人気です。友禅模様とは、友禅染めに使われるような、色彩豊かで美しい模様のことです。祝い着の絵柄には、子どもの健やかな成長や幸せを願う意味が込められています。
御所車に四季の花々を飾った柄が「花車」です。花車は神を招くとされ、「たくさんの幸せを招きますように」という願いがこめられています。描かれたそれぞれの花には幸せへの願いが込められており、例えば牡丹は「幸福、高貴、豪華さ」を表し、邪気を払うともいわれます。四季の様々な花々が描かれているので、通年で選びやすい柄です。
神社で参拝の際にも鳴らす「鈴」は、神様に呼びかける際に使われます。鈴の音は邪気を払うとも言われ、「赤ちゃんをお守りください」という神様への願いが込められています。
古典楽器の「鼓(つづみ)」をモチーフにした絵柄は、優雅で美しい雰囲気があります。音が「よく鳴る」と、物事が「よく成る」をかけ、女の子の幸せな成長という意味が込められています。
「蝶」は、幼虫からさなぎ、そして蝶へと姿を変えながら美しく成長する生き物です。その成長の様子は女性の人生に重ねられることが多く、美しく健やかに成長するようにと願いを込めて、祝い着でも人気があります。
「鞠」は、長い糸を使って作られていることから、「縁を結ぶ」という意味が込められた絵柄です。「何事も丸くおさまるように」「子供が丸々と育ちますように」という、子どもの健やかな成長と人生を願う柄でもあります。
女の子の祝い着を選ぶ際には、柄やデザインの見た目だけでなく、柄に込められた意味も参考にすると良いでしょう。
お宮参りに着用する祝い着の生地は、100%絹糸で織られた「正絹(しょうけん)」が一般的です。手入れのしやすさや価格の手頃さから、ポリエステルなどの化学繊維で織られた着物を選ぶご家庭も増えています。
ベビードレスは、春夏用や秋冬用に加え、オールシーズン着用可能なものもあります。さまざまな生地があるため、お宮参りを行う季節に合わせた生地を選ぶと良いでしょう。
汗をかきやすい春や夏には、吸湿性の高いコットンやガーゼ生地がおすすめです。秋や冬には、厚みのあるベロア素材や、伸縮性と保温性に優れたニットキルトなど、暖かい生地を選ぶと良いでしょう。
生後1ヵ月頃の赤ちゃんは、体温の調節機能が未熟なため、大人が体温調節をしてあげましょう。お宮参りは屋外にいる時間もあるため、季節や儀式当日の気温に合った肌着を用意します。
赤ちゃんは汗をかきやすいため、肌着の重ね着やベストなどで調節するのがおすすめです。汗で濡れた肌着は風邪をひく原因にもなるため、着替えも持っていくと良いでしょう。
寒い季節にお宮参りを行う場合は、肌着の重ね着だけでなく、靴下やミトンなどの防寒小物も準備しましょう。おくるみやブランケットで赤ちゃんを包むことも防寒対策になります。
お宮参りに参加する両親や祖父母の服装は、赤ちゃんの服装や雰囲気に合わせるのが基本です。お宮参りは赤ちゃんが主役のため、参加者が赤ちゃんよりも目立たないように気をつけましょう。
女性の場合、正装は黒留袖(くろとめそで)ですが、最近では訪問着や色無地の着物が主流です。洋装であればフォーマルなスーツやワンピースが一般的です。
ママが着物を着る場合は授乳がしづらいことを考慮し、ミルクの準備をしておくと安心です。和装にこだわらないのであれば、授乳口付きのワンピースなどの授乳がしやすい服装を選ぶと良いでしょう。
男性の服装は、ブラックフォーマル、もしくは濃い色のビジネススーツが一般的です。私服の場合は、シャツにジャケットを羽織るなど、カジュアルになりすぎないように注意しましょう。赤ちゃんやママと格式をあわせると良いですね。
両家揃ってのお宮参りを行う場合は、両家の格式も合わせるために、あらかじめどのような服装にするかを相談しておくと良いでしょう。
お宮参りは、古くから続く伝統的なお祝い行事です。さまざまな慣習があり、はじめてのお宮参りではわからないことも多いものです。
ここでは、女の子のお宮参りに関する疑問について解説します。儀式当日を迎える前に確認しておくことで、スムーズなお宮参りが行えるでしょう。
お宮参りで赤ちゃんが着る着物は、母方の実家が準備をして贈るケースが多く見受けられます。地域の伝統や慣習によっても異なり、父方の実家が準備をする場合もあります。
女の子の祝い着は華やかなデザインが多く、ママ・パパの好みで色や柄を決めたい場合もあるでしょう。着物を誰が用意するかについては、伝統的な慣習を理解した上で、両家の祖父母に相談すると良いでしょう。
その昔、出血を伴う出産は穢れ(けがれ)であると考えられ、産後間もない母親は外出することが禁じられていました。参拝ができない母親に代わり、義母が参拝していたことから、お宮参りで赤ちゃんを抱っこするのは、父方の祖母の役割とされてきました。
現在ではお宮参りのスタイルが多様化していることもあり、母方の祖父母やママ・パパが赤ちゃんを抱っこしているケースも多く見受けられます。
赤ちゃんとはいえ、ずっと抱っこし続けると疲れてしまいます。産後間もないママの体調にも配慮しながら、手が空いている人が順番に抱っこするなど、柔軟に対応すると良いですね。
昔は産後間もない母親は外出することが禁じられていたことから、お宮参りはパパと父方の祖父母だけで行うのが伝統的な慣習でした。
現在はママとパパ、両家の祖父母など、家族揃ってお宮参りにいくケースも多く見受けられます。祖父母だけでなく、ママ・パパの兄弟姉妹などの親戚を招き、大勢で赤ちゃんの成長や健康を願う場合もあります。
祖父母が遠方に住んでいる場合や予定が合わない場合は、赤ちゃんとママ・パパの3人だけでお宮参りを行っても問題ありません。
伝統を重んじるご家庭もあるため、両家に相談をしながら決めると良いでしょう。
神社でお宮参りの御祈祷を受け、祝詞をあげてもらう際には、「初穂料(はつほりょう)」という謝礼を用意しておく必要があります。「初穂料」は「お気持ち程度」としている神社もありますが、5千円から1万円程度が相場です。
神社によっては、「初穂料」の金額が決まっている場合もあるため、事前にホームページや電話で確認しておきましょう。
また、封筒の選び方やお札の入れ方にもマナーがあります。詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
この記事では、女の子のお宮参りを行う時期や服装、男の子との違いについて解説しました。
お宮参りは伝統的な行事ではありますが、女の子の祝い着は多彩な色から選べるようになるなど、参拝のスタイルは多様化しています。女の子のお宮参りは、これからの健やかな成長を願い、華やかにお祝いをしましょう。
お宮参りの時期である生後1ヵ月頃は、出産祝いのお礼「出産内祝い」を贈る時期でもあります。お宮参りは祖父母や親戚が集まるため、出産内祝いを手渡し出来る良い機会です。うっかり忘れてしまうことがないよう、早めに準備しておくと良いでしょう。
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NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師育成も行う。
著書「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などメディアでも活躍する。
【監修・取材実績】(抜粋)
・ABCテレビ「芸能人常識チェック!トリニクって何の肉!?」冠婚葬祭マナー出演・監修
・テレビ朝日「中居正広の身になる図書館」マナーの分かれ道 贈答マナー出演
・日経ウーマン「冠婚葬祭マナー」
・主婦と生活社 CHANTO WEB「結婚・妊娠・出産 職場の報告マナー」
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